news Microsoft Power AutomateとHelpSystems AutoMateの3つの違い

本記事はAutoMate製品開発元Helpsystems社の記事を翻訳したものです。


ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)には、一般的に3つの自動化アプローチがあります。
一つは、大規模な企業がコンサルティングサービスに依頼して自動化するアプローチで、こういったソリューションは組織内でのスケールアップが難しく、一般的に高い価格設定になっています。
その一方で、逆のアプローチとして販売業者(ベンダー)が個人の生産性に焦点を置いたローコードまたはノーコードツールの自動化ソリューションもありますが、これらには複雑なオートメーション機能がない場合があります。
3つ目のアプローチはこれら両極端の中間に位置するもので、強力なUIとバックエンドの自動化の提供と、個人またはチームがエンドツーエンドのワークフローの自動化が可能になり、ビジネス全体で完全な拡張性を実現します。

すべての組織がそれぞれのニーズにあったアプローチを選択することは重要ですが、どこに違いがあるのかを理解して、自社のビジネスに適切なアプローチを選ぶことも重要です。「Power Automate」はMicrosoft社が提供するローコードの自動化ツールで、その競合製品としてHelpSystems社が提供する「AutoMate」はフロントエンドとバックエンドの自動化ワークフローを統合し、人、チーム、プロセスを超えた柔軟性と拡張性を提供します。
では、上記で述べた2つの自動化ソリューションに対して、3つの重要な違いを、実用性、拡張性、コストの観点から考えてみましょう。

1. レコーダー機能だけではない
自動化を実際に使用する際、ニーズに合った自動化ソリューションを選択することが重要です。現在、ユーザーから高い評価を得ているのは、デスクトップアプリケーションで使用頻度の高い操作やクリックなどのアクションを簡単に記録できるレコーダー機能です。

Power Automateは、堅実で信頼性の高いレコーダー機能を提供しており、特にWindowsアプリケーションでアクションを記録する場合は、直感的なUIで誰でも簡単に使用できるものとなっています。しかし、一連のアクションフローを一回で記録する必要があり、複雑なプロセスはできないというデメリットがあります。ユーザーが一度記録したフローは編集することができないので、一から作り直す必要があります。Power Automateレコーダーにプログラムロジックを追加するのはかなり難しいので、一般的にはタスクビルダーを代わりに使用します。レコーダーに非UIのビジネスロジックを混在させることに制限を感じているユーザーもいます。記録の途中に非UIのアクションを組み合わせて使用できるのは、複雑なフローを作成する上で重要です。例えば、テーブルの指定した行をコピーする場合、ループと一緒に判定ロジックを使用できなければなりません。

AutoMateは、堅牢なレコーダー機能を提供するだけでなく、小さなタスクを大規模で複雑なビジネスプロセスに組み込むことができる柔軟性を備えています。AutoMateのレコーダー機能では、記録を開始した後でもアップデート、編集、管理を簡単に行うことができ、ループや条件付きロジックなどの基本的なプログラムロジックの追加やAPIの呼び出しなど非UIの自動化を組み込むことができます。これにより、記録された(UI)タスクとバックエンドの自動タスクを混在させ、組織独自のワークフローに合わせてオートメーションをカスタマイズすることができます。また、記録の編集が可能になるため、ルールに基づいたより強固な意思決定や記録の管理が簡単になります。

2. 長期的かつスケーラブルなエンタープライズRPAへの注力
シングルユーザーの自動化はよく使用されており、組織の自動化戦略の中で重要な役割を果たします。しかし、真のエンタープライズRPAとは、単一のデスクトップから複数のデスクトップ、そして部門を超えた一元的自動化へと拡張できる能力を意味します。

Power Automateは、個人の生産性に焦点を置いた設計になっているため、この分野に優れています。ユーザーがアイディアから自動化されたタスクへと迅速に移行できるようにサポートします。このように、シングルユーザーレベルでの効率性を重視しているため、個人が自分の業務範囲で必要なタスクを迅速に自動化することができます。しかし、これは将来の拡張性に乏しく、事業持続のために利用可能なコネクターツールも限られてしまいます。

これに対してAutoMateは、ワークフローの構築に時間がかかるかもしれませんが、長期使用と拡張性を考慮して設計されており、カスタムコネクターに費用をかけたり、Microsoftによるコネクターのアップデートを待ったりすることなく、自社のみで維持が可能になります。AutoMateは、シングルユーザーが迅速にタスクの自動化を始められるノーコード・オートメーションを提供していますが、ビジネスユーザーやITチームもニーズに合った自動化(自動化のテンプレートにニーズを当てはめるのではなく)の構築ができます。

また、AutoMate Bot Storeでは、自動化をすぐに導入できるように、無料でダウンロードできるボットを提供しており、その後の拡張やカスタマイズも可能です。AutoMateのRPA機能は、ロールベース、優先順位、追跡ログや監査ログの変更、パスワードの保管など、企業が最も重要視しているセキュリティ機能の提供しています。これにより、拡張性という最大の課題が解消され、エンタープライズRPAの可能性を社内で最大限に引き出し、組織の長期的な資産として構築することができるようになります。

3. コストパフォーマンスに優れた予測可能な価格設定モデル
自動化ソリューションにかかる費用を事前に知っておくことは、基本的なことです。組織としては、自動化戦略が成熟化していく中で、ROIを低下させるような価格設定や予期せぬコスト問題には直面したくはありません。

Power Automateの価格構造は、組織が一ヶ月に導入するユーザー数とアテンド型RPAの数に基づいています。3つのオプションプランが用意されており、その内の2つはユーザーごとのライセンス、3つ目はフローごとのライセンスとなっています。非アテンド型RPAの場合は、各ボットごとに毎月追加料金が発生し、追加フローは各フローごとに毎月購入することができます。Power Automateが提供する価格構造は、自動化されたタスクが増えた分だけコストがかかる設定になります。

Power AutomateとAutoMateの最も重要な違いは、価格に対する考え方です。AutoMateは、タスクではなく、拡張性に基づいた価格構造を採用しています。AutoMateは、自動化戦略を推進するために組織が追加料金を支払う仕組みではなく、追加機能に対して課金することなく組織の拡張を可能にします。例えば、セキュリティや機械学習などの強化機能は、AutoMateでは追加機能ではなくパッケージ内に含まれています。つまり、自動化の範囲を広げても、ROIを低下させるような予期せぬコスト問題が起こらないのです。さらに、AutoMateには自動化の可能性を最大限に引き出すために、AutoMate Ultimateというボットの使用数に制限をかけないオプションも用意されています。

ユーザーレビュー:競合製品の位置づけとして
Software Reviewsが発表した「2021 Robotic Process Automation Emotional Footprint Report」において、AutoMateはPower Automateよりも高いラインキングを獲得しています。なお、カスタマーエクスペリエンス評価では、10点満点中8.1点を獲得し、その他の主要な分野でも高い評価を得ています。下記は「AutoMate」と「Power Automate」を直接比較した項目です。

カスタマイズのしやすさ
ユーザーがソリューションをカスタマイズする際に感じた満足度
AutoMate 83%に対して Power Automate 69%

製品機能
AutoMateは2つの重要な要素「性能の幅」と「性能の質」でPower Automateを上回りました。

技術的能力
特に「データ統合の容易さ」と「IT管理の容易さ」において、AutoMateは高い評価を得ました。

組織に適したRPAを選ぶ
製品名はあまり知られていないかもしれませんが、AutoMateは堅牢な自動化と優れた価値をユーザーに提供し、Power Automateではない有力な選択肢となります。AutoMateは、小規模から始められ、ビジネス全体に拡大して使用することができます。組織全体のミッションクリティカルなITおよびビジネスプロセスを柔軟に自動化することができ、制限のないボットによるノーコード・オートメーションを活用することで、効率の最大化、ヒトの手による作業の排除、コストの削減を実現し、最高のRPAプラットフォームによる真のスケーラブルな自動化を実現することができます。RPA成功への道としてAutoMateを検討することで、人、プロセス、部門にまたがる強力な自動化ソリューションを手に入れましょう。