knowledge RPAの将来について知っておくべき3つのこと|AutoMate View

AutoMateの開発元Help SystemsのRPAエバンジェリスト、ポール・ネクレン氏が「RPAテクノロジーの未来」と題するブログを発表しています(7月14日)。その骨子をご紹介します。

進化するRPAテクノロジーの展望

RPAは、業務の進め方を変革し、手作業のプロセスを合理化して、従業員の負担を軽減します。RPAテクノロジーを適用したスケーラブルな“デジタルワーカー(ソフトウェア・ロボット)”は、さまざまな業務システムやアプリケーションと連携して、業務の生産性を大きく向上させることが可能です。RPAソフトウェアは、ヘルスケアから金融サービス、保険、人事、コールセンターの自動化に至るまで、さまざまな業界や業務で爆発的に拡大しています。

RPAを用いることによって、データ処理やITサービス、請求書処理、および、それらに関するクレーム処理やコールセンターサポートなどのタスクを自動化できます。RPAの適用先は事実上、ビジネスの至るところに存在し、組織のパフォーマンスと効率を向上させます。

調査会社Forresterは最近の調査で、RPAテクノロジーとAIを組み合わせることによって、企業の40%以上が最先端の“デジタルワーカー”を生み出すと予測しています。この驚くべき成長は、企業がRPAを活用することによって反復的な作業に従事する従業員の負担を軽減することに大きく舵を切る、全体的なビジネス戦略のシフトを示唆しています。

またデロイトのレポートでは、従業員が従事する仕事の最大50%が日常的・管理的・労働集約的な作業であるため、その最大16%が2025年までにRPAによって置き換えられるとしています。

しかしながら、経営陣とシステム担当者は、この大規模な変化に対して準備ができているでしょうか。

Forresterの調査によると、回答者の25%は自社に自動化についての全体的なビジョンや戦略がないことを示し、別の25%は「組織、調整、準備に関して理想・計画との間にギャップがある」ことを示しています。そしてForresterでは、これはおそらく組織全体でさまざまな自動化技術・システムを利用していることが原因だろう、と結論づけています。このことを踏まえれば、スケーラブルなRPAテクノロジーの適用が今後不可欠であり、企業はスモールスタートから適用から始めて徐々に拡大していく戦略が必要です。

RPAは、今日のビジネスの性質を変えています。そして企業はRPAの未来がどのように進化し、労働力に影響を与えるかについて準備しておく必要があります。これを念頭に置いて、RPAの将来について知っておくべき3つのことをお話しします。

#1:RPAテクノロジーは爆発的な成長をし続ける

ガートナーによると、RPAソフトウェアは過去2年間で最も急成長しているソフトウェア・セグメントの1つです。エンタープライズ・ソフトウェア市場全体の成長が13%であったのに対して、RPAは60%以上の成長を遂げています。また、別の予測では、2025年までに多くの企業が「自動化アーキテクト」の肩書を持つ担当者を設置すると示唆しています。

では、この継続的な成長の理由は何でしょうか。

最初に、将来に対して予期せぬ影響があったのは新型コロナウイルスによる感染拡大で、RPAの採用が急激に増加しています。最近のガートナーの調査によると、財務担当者のほぼ4分の1(24%)が、「ロボット・プロセスによる業務の自動化」への投資に期待しています。

RPAが将来成長するもう1つの理由は、デジタルプロセスの最適化によって自動化が進化することです。ガートナーの予測によれば、自動化の適用範囲は、今後数年間で、静的で厳格なルールに基づく作業から知的な業務へと大きく拡大します。

これには、IT基盤から顧客向けアプリケーションまでプロセスの最適化に焦点を当てた新しい自動化戦略が必要になります。RPAの適用範囲が広がるにつれ、システム部門では新しい戦略を立て、RPA導入のペース配分に配慮する必要があります。

#2:インテリジェンスは自動化を根本的に変える

今日のビジネス環境では、RPAは日常的な業務の自動化に非常に適しています。しかし、AI、機械学習、演繹的分析、予測分析などのインテリジェンスが導入され、自動化のフィールドで洗練されるにつれて、RPAはより高度で複雑な作業に対応し始め、従業員の能力を増強し、組織全体の意思決定を強化します。

この段階は、Forresterやアーンスト&ヤングなどが言う「インテリジェント・オートメーション」や、ガートナーが言う「ハイパーオートメーション」、IDCの「インテリジェント・プロセス・オートメーション」に相当するものですが、つまりは、RPAとインテリジェンスの統合によって、自動化できる業務の範囲が飛躍的に拡大するということです。。

自動化をインテリジェンスで強化することは、組織のコスト削減にもつながります。ガートナーは、自動化とインテリジェンスを活用する企業が2024年までに運用コストを約30%削減する、と予測しています。インテリジェントな自動化によってもたらされる進歩により、RPAテクノロジーは、多くのビジネスプロセスを自動化・統合化し、ますます重要な役割を担うようになります。

#3:自動化戦略は全体的に連携させる必要がある

現在のRPAテクノロジーは、フロントエンドまたはユーザーインターフェイス(UI)レベルからの自動化と見なされていますが、「APIオートメーション」と呼ばれることもあるバックエンドオートメーションは、具体的に定義された高容量トランザクションのAPIを利用します。今後、UIとAPIの両方の自動化を活用する能力により、組織はアプリケーションを統合し、より堅牢な自動化展開を実現できるようになります。

将来のもう1つの重要な自動化戦略は、RPAとBPA(ビジネス・プロセス・オートメーション)を理解して使用し、ビジネスプロセス全体にわたって自動化を相互補完的に推進することです。

BPAの鍵は「プロセス」であり、ファイルの転送、レポートの生成、非構造化ソースからのデータの抽出など、組織内でかなりの時間を必要とする繰り返し可能なプロセスにRPAを適用することによって、自動化を大きく前進させます。BPAに対応するソフトウェアは、プロセスの各ステップが自動的に次のステップをトリガーし、ビジネス全体のワークフロー全体を作成します。

つまり、RPAが個々のタスクをソフトウェアロボットに引き渡す一方で、BPAはビジネスプロセス全体を引き継ぎ、全体的な自動化を実現します。これが将来にとって本当にエキサイティングなのは、企業がフロントエンドのRPAテクノロジーとバックエンドのAPIオートメーションをBPAによって組み合わせることによって、業務のデジタル転換を企業全体で推進できることです。RPAとBPAの連携による可能性は無限であり、単独で実行するよりも効率を向上できます。

企業の成長を促す、RPAの旅

RPAテクノロジーの将来は非常に明るいのですが、圧倒される可能性があります。小規模なものから始めて、組織内のプロセスを自動化するための最適な場所を決定し、後で拡張することが最善の場合もあります。最初に、より価値のある活動に費やす可能性がある時間がかかる大量の反復タスクを探します。レポートの生成と配布、従業員のオンボーディング、クレーム処理、その他の重要なユースケースなどのプロセスを検討してください。

組織におけるRPAの旅(RPAジャーニー)は、あなた次第です。RPAが果たしてきた、そして将来も果たし続けるだろう変革的な役割を知り、理解し、適用することによって、RPAはあなたと共に成長します。あなたが前進するために、RPAをどのように計画するか、それが重要です。

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