コラム フロントエンド・オートメーションとバックエンド・オートメーションを理解する方法

本記事はAutoMate製品開発元Helpsystems社の記事を翻訳したものです。

今日の組織は自動化への移行を続けていますが、それには正当な理由があります。ビジネスプロセスの自動化には、生産性・正確性の向上や、組織、事業部・課、チーム、従業員間のリソースの最適化など、大きなメリットがあります。McKinsey Global Instituteによると、「様々なプロセスを自動化することで、ほぼ全てのビジネスプロセスのパフォーマンスを向上させることができ、人件費の削減を可能にするだけでなく、自動化によってスループット、信頼性、品質のすべてが向上する」と述べています。しかし、自動化がもたらすメリットは非常に大きいにもかかわらず、組織が自動化ソリューションを活用するタイミングと方法は大きく異なります。

企業がプロセスの自動化を始めるにあたり、何をどのように自動化するべきなのか、事実上無限の意思決定に直面します。また、どこで自動化が実行されているかを特徴付けるターミのロジーもエンドレスにあるように思われます。例えば、フロントエンド/バックエンド、フロントオフィス/バックオフィス、フロント・オブ・グラス/バック・オブ・グラス、有人/無人、バックグラウンド/バッチ処理、インタラクティブ処理などの用語はすべて自動化を実行できる場所を定義します。フロント・オブ・ガラスでは、Webサイトのデータスクレイピング、Microsoft Accessのレポートの実行など、画面上でカーソルが動く箇所を処理します。バック・オブ・グラスでは、SQLクエリを実行し、結果をスプレッドシートへ送信したり、FTP経由でファイルを送信したり、受信トレイを監視して添付ファイルを処理するなど、画面の反対側で行われるあらゆることを行います。

しかしどんな呼び方であっても、ビジネスにおけるオートメーションの機会を見直すには、これらの異なるアプローチを理解することから始める必要があります。ここでは自動化に対する2つの異なるアプローチを定義し、各種類の自動化に適したプロセスを検証、現在のプロセスを見直して組織に最適なオートメーションかを判断する方法について説明します。

フロントエンド・オートメーションの検討

自動化の一般的なアプローチのひとつとして、フロントエンド・オートメーションと呼ばれるものがあります。フロントエンド・オートメーションは、インタラクティブ(双方向性)、Webサイト、および有人プロセスに焦点を当てたタスクを公理化する自動化の特徴を示す方法です。ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)は、フロントエンド、つまりUIレベルからの自動化として考えられます。そして、Gartner氏によると、その成長は今後も拡大し続けると述べています。実際、2023年までに、フロントエンド機能のRPAは30%増加すると言われています。

フロントエンドの自動化には、検討する価値のあるメリットと課題があります。フロントエンド・オートメーションのメリットは、プログラミングの知識がなくても、すばやくタスクを構築できることや、既存のプログラムやアプリケーションに変更を加える必要がないこと、キーストロークを知っているユーザーならタスクの自動化を簡単に構築できることなどがあります。一方で、ディスプレイ画面やアプリケーションのUIが異なっていたり、解像度やリモート環境によってもパフォーマンスに影響することがあるため、フロントエンド・オートメーションが安定しないこともあります。

では、どのようなプロセスがフロントエンド・オートメーションに最も適しているのでしょうか。一般的に、フロントエンドの最適な候補は、Webサイトのデータ抽出、インタラクティブなアプリケーションのレポート作成、WebサイトまたはWindowsクライアントアプリケーションへのデータ入力、ユーザーアプリケーションのモニタリング、Webページのテストなど、完全または部分的に有人で実行するプロセスが挙げられます。フロントエンドの自動化は、これらのタスクを迅速かつ正確に実行し、顧客エクスペリエンスを向上させ、組織と顧客の間に摩擦のないインタラクションプロセスを提供します。

バックエンド・オートメーションの検討

自動化のもうひとつのアプローチは、バックエンドまたはアンナテンデット・オートメーションです。バックエンドの自動化は、一般にワークロードの自動化として知られており、特に定義された大容量のトランザクションにアプリケーションプログラミングインターフェイスを活用するため、APIオートメーションと呼ばれることもあります。

バックエンド・オートメーションのメリットは数多くあります。データへ直接アクセスするので安定で迅速に実行することが可能で、画面操作よりパフォーマンスも高く、UIが異なっていても影響を受けることもありません。ただし、バックエンド・オートメーションの場合、ユーザーはデータがどこに、どのように保存されているかを理解している必要があります。それだけでなく、Webサービスに精通していたり、プログラミングスキルが必要とされる場合もあります。

バックエンド・オートメーションに最適な候補は、ファイル移動、データベース処理、PowerShellスクリプト、API駆動型アプリケーションなどの無人プロセスです。この種のプロセスを自動化することで、組織は重要なバックエンド機能を定義、合理化、管理および監視することができ、同時に経費削減、ビジネス全体のリソースを最適化することができます。

フロントエンドとバックエンドの自動化の機会の見直し

企業内の自動化のプロセスをどこから始めるかは、企業独自のニーズと要件によって異なります。自動化への取り組みを小規模からスタートし、後から規模を拡大する企業もあれば、様々なプラットフォームやアプリケーションを対象とした大規模なエンタープライズオートメーションの課題に取り組む組織もあります。どこから始めるにしても、組織にとってより戦略的で付加価値の高い作業時間を奪うような大量の反復作業を探し出すことが重要です。

多くの企業が、フロントエンドとバックエンドの自動化を組み合わせることでフロントオフィスからバックオフィスまで総合的なアプローチを採用した、真のエンドツーエンドの自動化を実現できることに気づきました。さらに今日の企業は、フロントエンドとバックエンドの両方の自動化を最終的に必要としています。そのため自動化ソフトウェアにとらわれないことが重要です。あらゆる自動化機能を提供し、より堅牢な自動化の拡張を可能にするソリューションを探してみてください。

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