テキサス大学MDアンダーソンがんセンター
業種:医療研究機関・病院(681床)
設立:1941年
所在:米テキサス州ヒューストン
従業員:2,700名以上
◎AutoMate導入前の問題・課題
「がんの歴史を作る」という使命のもと、がんの研究・治療・予防で世界的に知られるテキサス大学MDアンダーソンがんセンター。同センターは、数千人に上る看護師の勤務・配置に関して、従来、PeopleSoftによる人事システム、Kronosによる出退勤システム、ANSOS One-Staffによる人員配置システムの3つを稼働させ、管理を行ってきました。
しかしながら、個々に異なるシステムで、かつ連携性が悪かったので、容易な管理とオペレーションが行えないシステムでした。そこで、システムを統合するプロジェクトが立ち上がりましたが、ジョブの監視機能をうまく適用できなかったため、依然として、使いにくいシステムのままでした。
◎AutoMate導入の経緯
あるとき、同センターのシステム部員が、Automateはジョブスケジューリングと自動化機能を使うことによって、システム間の連携と統合が図れるのではないか、と気づきました。
同センターのスタッフは、次のように振り返ります。
「LaunchpadとAutoITを統合しようとした過去の取り組みでは、Launchpadのジョブスケジューリング機能とAutoITの自動化機能の組み合わせで行おうとしました。しかしこれは間違いで、本当に必要なのは、トリガー機能と自動化機能の両方を備えた強力なツールでした。Automateは、スクリプトの作成方法を知らなくても、あらゆる種類のソリューションを「スクリプト化」する機能を提供しています。スクリプトの作成方法を知っていれば、さらに高度で複雑な自動化システムを簡単に作ることができます」
◎AutoMateの活用
同センターでは、従来から利用してきた、PeopleSoftによる人事システム、Kronosによる出退勤システム、ANSOS One-Staffによる人員配置システムの3つのシステムを、AutoMateのファイル転送/データ転送機能を用いて統合し、当初の狙いであった、システムのスムーズな連携と快適な管理・オペレーションを実現しました。3つのシステムで作られるファイル/データは、日々、数千にも上りますが、AutoMateはそれらのファイル/データを自動的に仕分け、目的となるシステムへ自動転送しています。
Automateはまた、がんセンターに必要なアプリケーション・セキュリティも提供しています。安全なログオンとアクセス許可だけでなく、パスワードやタスクの暗号化などの強化されたセキュリティを実現し、さらに、タスクが失敗または成功した場合、それに関するメッセージをIT担当者へ送信します。
タスクが失敗した場合、IT担当者に送られるメッセージは非常にきめ細かく、エラーがいつどこで発生したかを正確に記載しています。これにより、エラーをほぼリアルタイムで修正するための情報をタイムリーで得ることができるようになり、システム運用管理の工数・負荷が大幅に削減されました。
◎感想・評価・効果
MDアンダーソンがんセンターでは、AutoMateによる80以上の自動化タスクを開発し利用しています。重要なアプリケーション間のファイルとデータの同期、災害対策のためのバックアップ、レポート生成など、さまざまなタスクが稼働しています。
AutoMateは、2,700人を超える看護師と管理スタッフの最適な人員配置を、正確かつ安全に、スムーズに行えるよう稼働しています。そして150名のユーザーが、AutoMateの同時に利用しています。
同センターでは、AutoMateの導入によってROIが650%、15万ドルのコスト節減に寄与していると計算しています。
同センターが発見したAutoMate導入のもう1つのメリットは、その柔軟性と汎用性です。AutoMateによる自動化によって、同センターはより動的なシステムアーキテクチャを導入することができました。たとえば、自動化されたタスクのグループを変更する必要がある場合、IT担当者は数千行のコードを流し込んで編集する代わりに、1つの変数の変更でそれを実現できます。Automateを使用すると、既存の自動化タスクへの追加や変更を、簡単に、かつ柔軟に行うことができるのです。
「Automateのもう1つの非常に強力な側面は、その開発インターフェースです。ユーザーは、コードがわからない場合でも、ドラッグ&ドロップの操作だけで複雑な自動化タスクを開発できます。スクリプト作成を知らなくても、あらゆる種類のソリューションを「スクリプト化」できるのが大きなメリットだと考えています」(同センターのスタッフ)