導入事例 海外ミニ事例|Vestcom、顧客からの注文・依頼をAutoMateで自動処理、翌日納品を実現

Vestcom International, Inc.
業種:店舗の販売棚向けマーケティングソリューション
設立:1966年
本社:米アーカンソー州リトルロック
従業員:700名
http://vestcom.com/

◎AutoMate導入前の問題・課題

米国内の大手スーパーマーケットチェーン、食料品卸売業者、ドラッグストア、量販店のさまざまな棚に設置されたディスプレイ(アナログ、デジタル)に、商品の価格や各種情報を表示するソリューションを提供するVestcom International。同社は、「シェルフ・エッジ・マーケティング・ソリューション」を提供する会社として、米国内ではとても有名です。

同社では、小売業者が販売を促進するためのマーケティング・アイテムを、毎週、数百万種類も制作し、納品しています。このアイテムには、グラフィックスやテキスト、製品画像などが含まれます。

同社にマーケティング・アイテムの制作を依頼する顧客企業は、FTPやセキュアFTP、VPN、電子メールなどを使って、UPC番号(米国・カナダで流通している商品コード)やアイテムの説明、価格などの製品情報をVestcomに送信します。

Vestcomでは受信した製品情報をサーバーへ転送し、そのサーバー上でデータのクレンジングを行って印刷可能なファイルに変換し、印刷するという処理を行っていますが、従来はすべて手作業でした。

「この処理は非常に労働集約的で、印刷用の顧客データの準備だけで、週に150〜200時間はかかっていました。業務処理のスピードアップをさらに図り、かつ人件費を抑制し、人為的ミスの可能性を最小限に抑え、顧客の期待に応えることを保証するために、プロセスの自動化は必須の課題となっていました」と、 Vestcomのデータセンター運営ディレクターであるRon Evans氏は語ります。

◎AutoMate導入の経緯

Vestcomではかねてより、これらの課題を解決するためのソリューションとして自動化を検討していました。しかし、そのためにプログラムをコーディングするのでは、システムを使い始めてからコードのメンテナンスにコストと工数が発生するので、「それは避けたい」と考えていました。

そこで同社では、ビジネスプロセスを自動化するソフトウェア・プラットフォームを探し始めました。しかし評価した製品の大半は、バッチプロセスを実行できるジョブスケジューラばかりで、複雑なジョブをリアルタイムに自動化できるツールは見つけることはできませんでした。

そうした中で、AutoMateの存在を知りました。さっそく試用版をダウンロードし、試してみることにしました。

その結果、Automateには、同社のアプリケーション画面上で行っているさまざまな操作を、AutoMateの部品や機能を組み合わせることによって簡単に組み立てることのできる機能が備わっていることがわかりました。手動で行っている一連のキーボード操作やマウス操作をAutoMateでロボット化し、「例えば、ファイルの移動や名前の変更、あるいは、異なる日に異なるアクションを実行したり、UPC番号が一致しない場合は印刷しないようにする、ということが確認できました」、とEvans氏は言います。

◎AutoMateの活用

同社がAutomateで作成したロボットは現在、数分ごとに新しい顧客ファイルをサーバー上でポーリングし、クレンジングしてフォーマットを変更し、印刷する処理を実行しています。

そしてさらに同社では、AutoMateの適用範囲を広げつつあります。「私たちはまだ毎週新しいタスクを作成しており、ほぼ毎週Automateの他の用途を見つけています」と、Evans氏は述べます。

◎感想・評価・効果

AutoMateの導入によって顧客からの依頼情報を自動的に処理できるようになり、データ処理に関するエラーをほぼゼロレベルに削減できました(エラー率は97%減少)。また、複数のプロセスとジョブを同時に実行できるようになったため、印刷準備作業までのリードタイムを大幅に短縮できるようになりました。業務の大幅なスピードアップです。そしてこのことによって、「翌日の午前10時までに顧客に納品する」という、厳しい納期厳守を掲げる会社の方針にも十分に対応できるようになりました。

Evans氏はまた、「人件費の軽減にも寄与しています」と、次のように語ります。

「当社は、4〜5人の正社員に相当する労働時間を回収しただけでなく、企業の成長に対応するためにデータセンターの人員を増やす必要もなくなりました。自動化がなければ、3つのシフトごとに1人ずつ追加しなければならなかったでしょう」